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デジタル改革関連の法律が施行されている昨今、不動産管理会社に求められる入居者への対応はどのように変わるのでしょうか?
本記事では、2021年9月1日に施行されたデジタル改革関連法案がもたらす不動産業界への影響を解説します。不動産管理業務のDX化を検討中のご担当者は参考にしてみてください。
デジタル改革関連法案の施行とは
デジタル改革関連法案とは、日本のデジタル社会推進に向けた環境整備となる6つの法律です。施行された法律は、下記の6つになります。
これら法律の施行により、デジタル庁が中心となり行政サービスのDX化が進んでいる状況です。行政サービスのDX化が進むと、入居者の申請手続きなども電子申請になることが考えられます。
不動産業界のDX化で見える現状と今後
withコロナ時代の生活様式の変化にともない、テレワークや非対面対応など不動産業界への影響は計り知れません。不動産管理会社では、入居者への対応に向けてDX化は避けて通れない況です。
入居者との契約
現状:書面契約と押印(紙の契約書の作成・宅建士の署名押印・収入印紙貼付)
今後:電子契約と電子捺印(電子記録のみ)
宅建士の署名押印・収入印紙は不要となります。
デジタル改革では、押印と書面の廃止を目指した「脱ハンコ」の政策が推進されています。不動産業界においても、電子契約と電子捺印が契約書作成に大きな影響をもたらします。
電子契約へ移行できる契約書
不動産管理会社が電子契約に変えられる契約書類は、次の5つです。
これら5つの契約書の電子化は、デジタル改革関連法案により1年間の準備期間を経て2022年5月から本格施行となります。
電子契約と電子捺印のメリット
電子契約と電子捺印のメリットについて解説します。
紙の契約書の場合は、内容を改ざんされるリスクを抱えてます。それに引き換え、電子契約や電子捺印は権限の保有ができるシステムのため、コンプライアンスの強化が可能です。また、電子捺印であればテレワークでも業務を進められるため業務効率が上がります。紙の契約書を減らせれば、ペーパーレス化となり、コスト削減にもなるでしょう。
電子契約と電子捺印のデメリット
電子契約や電子捺印のデメリットは、次の通りです。
電子契約や電子捺印は、今までDX化を検討していなかった不動産管理会社にとって必要な準備が求められます。必要な準備とは、電子契約に対して顧客や取引先の同意や対応可能な人材と能力です。まずは、自社の現状を把握してどの部分に課題があるか明確にしましょう。
まとめ
本記事では、デジタル改革関連法案の施行による不動産業界への影響面を説明してきました。電子契約への移行など本格的な施行は、2022年5月からです。不動産管理会社では、準備期間にDX化への対応を進める必要があります。その理由は、政策で掲げられている「脱ハンコ」の時代の流れが加速していくからです。DX化に向けて自社に適正人材がいる企業も多くないことでしょう。一度、専門家へ相談してみてはいかがでしょうか。