Column
昨今はビジネスのDX化がより一層注目されるようになっており、それは不動産業界および不動産管理業界においても例外ではありません。不動産業界のDX化に欠かせない不動産テックの最先端はアメリカにあります。今回はアメリカにおける最先端の不動産テック事情から、今後の日本における不動産管理業務の展望を考えます。
■■【最先端】アメリカの不動産テック事情■■
■「ZORC」が不動産テックを牽引
近年のアメリカでは、 世界中から不動産テック関連に5,000億円を超える膨大な投資が集まっています。その一大ムーブメントを牽引するのが「ZORC(ゾーク)」と呼ばれる以下に列挙する4企業になります。
・Zillow:賃貸物件・住宅販売のポータルサイトで 約1億件の住宅価格を公開。日本でいうSUUMOやHOME’S。
・Opendoor:AIを活用したスピード査定によって、物件の売買を仲介。仲介業者なしで手軽に物件売買ができる。
・Redfin:ポータルサイトととも
に仲介事業を運営。物件選びから不動産売買までを自社内で完結させる。
・Compass:高級物件の売買をオンラインで仲介。AIとBigデータで物件をレコメンド。
なお、上記のサービスや企業は、主に物件選びや売買契約までの段階に関するものですが、不動産管理業務に関しても、もちろん不動産テックの導入は進んでいます。
■不動産管理にアプリを導入した「Mynd」
不動産管理業務に不動産テックを導入した企業の好例として、「Mynd Property Management(マインドプロパティマネジメント)」です。Myndは2016年に設立されたスタートアップ企業で、不動産の貸し手と借り手の両方を対象に、不動産テックを駆使した総合賃貸管理仲介サービスを提供して成功しました。
デスクトップアプリやスマホアプリを開発し、不動産管理業務の多くをオンライン化、情報管理を大幅に効率化させました。Myndの顧客(貸し手と借り手)は、アプリで必要な情報を閲覧したり、チャットで担当者と連絡を取ったりすることができます。
■■不動産管理をDXするメリット・デメリット■■
■メリット:大幅な業務効率化が実現できる
不動産管理に不動産テックを導入する最大のメリットは、大幅な業務効率化につながることです。特に家賃入金の照合作業や内見業務、入居者・オーナーとの連絡業務などは、不動産テックの技術を駆使することによって、かなり工数を削減できるでしょう。
また、他にも緊急時の対応についても、チャットアプリなどを活用したり、画像や動画で状況を共有できれば、現場に行かずリモートで対応することもできるでしょう。そのほか、不動産管理業務のDX化には、ヒューマンエラーや情報の属人化を防止できます。仲介部門などとデータベースを共有することも可能なため、総じて業務の質を高められるといったメリットもあります。
■デメリット:システム導入の費用・手間がかかる
管理会社が不動産テックを導入するうえで、システム導入にかかる費用として、システムによって数万~数十万円の初期費用や月額費用がかかり、運用にあたってはデータ入力や社内研修など導入するまでに準備が必要になることがあります。
また、取引先に導入されていない場合は、業界全体での環境整備が必要なこともあり、システムとして業界に流通するには時間もコストもかかってしまうというデメリットもあります。
■■まとめ■■
アメリカでは「ZORC」を中心に不動産テックが盛んであり、その流れはアメリカでMyndが行った不動産管理業務にアプリを導入するという手法から、管理会社はもちろん、顧客にとってもメリットが大きいものなので、今後はアメリカのみならず日本でも主流になっていく可能性がるといえるでしょう。
そして今回解説したようなアメリカにおける不動産テックの勃興の流れは、多かれ少なかれ、いずれ日本にも波及してくるでしょう。その波が来るのに備えて、不動産管理会社は早めに不動産テックの導入準備を進めていく必要があるといえます。
■■「conshelly」で賃貸管理を手軽にDX化■■
管理会社が低コストで気軽に不動産テックを導入できる方法の一つの例として賃貸管理アプリの「conshelly」があります。
「conshelly」は入居者と管理会社をオンラインでつなぐアプリで、チャット機能を使ってやり取りをすることが可能です。チャットの中で画像や動画の投稿もできるため、トラブル時の対応もリモートで行えます。
またアプリ内の「よくある質問」や「各種ご案内」の記載内容を充実させておけば、クレーム対応の件数や工数を減らすこともできます。そのほか、契約情報やゴミカレンダーなどの情報共有もできるので、大幅な業務効率化につながるでしょう。
なお、「conshelly」は2020年4月1日改正の賃貸借契約に関する新民法にも対応しています。安心かつ低予算で導入でき、日本全国に対応しているアプリなので、ぜひ積極的に活用をご検討ください。