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2021.08.26

物件管理で苦悶する【複雑化する入居者様トラブル】DX で業革!

コロナ禍を機にデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性は、様子見などであった不動産業界でも活発な議論が進められています。
中でも、DX の余地が大きいとされているのが物件管理の分野です。
入居者様とのトラブルや作業ロスの多い物件管理が、DX に注目する理由はどこにあるのか?
今回は DX が物件管理会社にもたらすメリットや、取り組む課題について解説します。


物件管理会社が1番多く経験する入居者様とのトラブル
入居者様とのトラブルで一番多いのは「物件の欠陥や設備の故障などのトラブル」、次いで「住人や近隣トラブル」、そして「敷金と原状回復のトラブル」です。
今後は、コロナ禍で変化する経済情勢が入居者様の収入の不安定化をもたらし、家賃の滞納事例も増えてくることが予測されます。
オーナー様とご入居者様の間に入ることで「不安・不満」を解消し、スムーズな賃貸経営をサポートする先進の技術と仕組みを、物件管理会社は益々求められるでしょう。

クレーム・トラブルに忙殺される管理部の担当者
賃貸物件の管理の仕事は、その半分くらいが苦情や相談の対応ですが、日々入居者様からのとんでもないクレームに対応しているのも事実です。
本当に問題が起きている場合の対応は業務として当然ですが、中には必ずしも深刻なトラブルではなくて、ちょっと対応に困るようなものに忙殺されています。
例えば「オバケが出る」「となりの雑貨屋の音楽がうるさい」、学生や新社会人からは「キッチン・バスの排水口が詰まった」と……、春になると掃除しないための苦情が殺到します。

DX が物件管理会社にもたらすメリット

それでは、DX を物件管理会社が導入することで、どのようなメリットが得られるのかについて確認しましょう。
この業界における DX とは、先進の AI 技術や IT を使って業務のデジタル化を推進し、ロスやコストの削減をするという取り組みです。
入居者様とのトラブルをオンラインで行えるようにしたり、物件情報の管理をオートメーション化させたりと、従来型の業務では達成し得なかったパフォーマンスを実現します。

業務効率化により限られた時間や人員でトラブルに対応
DX を導入する最大の魅力は、従前業務の自動化や効率化を図れる点です。メモを取りながら電話対応をしていた担当者も、自動的に電話録音してくれるサービスを利用することで、業務負担を削減できます。
また、物件に関する問い合わせをチャットで行うことで、対応マニュアルを自動化し業務負担と精神的負担を削減するなど、多くのメリットを期待できます。
業務時間の短縮によって生まれた時間で、本来の管理業務へ専念できることで CS も向上し、担当者の定着にも貢献するでしょう。

DX 化で人材不足を解消し働き方改革を実現
トラブルに関わる業務負担が DX によって小さくなることで、必要な人手の数も減らすことが可能です。
現在よりも少ない人数で業務を遂行できて、業界課題の人材不足に悩まされにくくなるのです。
業務効率化が進むことで、社員の働き方改革にも結びつけられます。業務の効率化、自動化によって業務負担が小さくなり、残業時間を短くできます。
また、オンライン業務を進めることで、対面での対応も少なくなり、テレワーク環境の整備にも期待が持てるでしょう。

物件管理会社の DX 化を阻む課題

物件管理会社を含む不動産業界の DX 化を推進する上で、どのような課題があるのかについて説明します。
課題を乗り越えることでドラスチックな決断を促し、DX 導入がスムーズに図れるでしょう。

物件管理の現場に根深く残るアナログ文化
不動産業界は、手作業の多いアナログ方式の業務を推奨する事業者の多い業界です。FAXを使う、紙を使った顧客情報管理、多頻度な対面のみの営業などに象徴されます。
問題は、アナログを中心に業務をおこなう場合、パフォーマンスが個人の技量に依存するだけでなく、スキルの習得に時間が掛かるなどの弊害を引き起こすことです。
そのため、担当者が離職した場合の顧客情報の引継ぎ、人材の確保・育成に恒常的な問題を抱えているのが現状ではないでしょうか。

物件管理の既存システム
DX 導入にはワードやエクセル(表計算)などの既存システムから脱却し、データを連携できる仕組みを作り、社風文化的にも新しいシステム利用に馴染んでもらう必要があります。
慣れ親しんだ仕組みから新しい仕組みへの移行は、さまざまな障害や抵抗が生まれますが、これを乗り越えることでさらなる効率化を推進することが可能となるでしょう。

まとめ

現在は「不寛容社会」と言われ、管理担当者たちは日々入居者様からの「多様化・複雑化」する異次元のクレームとトラブルに対応しているのです。
「先進技術の一般化」と「コロナによるニューノーマルの誕生」により、DX が進む土壌が出来上がりました。
事実、スタートアップ企業からは物件管理会社へ特化したサービスも数多く登場しています。
管理現場の実情を捉え、課題を洗い出すところから始め、多様なツールや成功事例を参考にしながら DX 導入に動き出しましょう。

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