COLUMN

コラム

Column

2021.08.26

国が今後不動産業界へ期待すること

日本の現状において人口減少や、少子高齢化、都市部への人口流出、それに伴う地方の空き家問題など、不動産に関わる様々な問題点が挙げられます。
地方自治体では、様々な補助政策を考え、移住促進や2拠点化推進の取り組みを行なっているようですが、まだうまく機能していないようです。

特に人口減少の問題においては、今後不動産の国内の需要は低下していくことが予想されており、国も2019年には、国交省を通じて四半世紀ぶりに「不動産業ビジョン」を策定しました。
不動産業を取り巻く問題や市場環境の変化を見据え、国が今後不動産業界へ期待することを考えたいと思います。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

(1)市場の変化
不動産市場の変化として、近年大きなニーズの変化が見られます。以前に比べ、貯金や株などと比較し、土地を有益な資産と考えない傾向が見られます。
それにより、土地の保有が減ったり、代々の相続が途絶え、空き地の増加、所有者不明の土地問題などが起こっているのも事実です。
実際に、実家は地方にあり、家族は亡くなって空き家になっているが自身は実家以外に住んでおり管理ができない、または所有権などの手続きが面倒、家屋も土地も売る方法がわからない、
資産として金額がつかないなどの理由で、手がつけられない状態になっている例もあります。

(2)ライフスタイル・働き方の変容
人口減少により空き家は家屋だけでなく、賃貸物件にも言えることです。ライフスタイルの変化や、働き方の変化によりオフィスや物件に対するニーズは、利便性の高い場所、快適な空間を求める傾向にあります。
生産年齢人口の減少に伴い、優秀な人材獲得、生産性向上を求めて都市部や新しいビル、物件が増える一方で古い物件には空き家が目立ちます。
また、IOT化が加速することで「どこでも働ける」考え方も進み、サテライト・シェアオフィスの活用も含め、固定された家を持たないアドレスホッパーも増え、
古いホテルや空き家、古民家などを改装して「ホステル」にする取り組みも話題です。
不動産もしかり、オフィスや家を持たない選択をする理由には、最も手間となる「手続き問題」があると思われます。

(3)DX(デジタルトランスフォーメーション)化への期待
ライフスタイル・働き方にも変容が見られるように、今後不動産業界にもDX化によるビジネスの仕組みやプロセスの変容が期待されています。
先にも記したように、不動産の取り扱いは今まで資産価値の高いものとして扱われ、権利やその価値を保つために多くの手続きを要してきました。
本人確認、捺印など同じ内容の書類を何枚も作成するような手間によりデジタル化が進んだ現代では「面倒なもの」として捉えられ、その結果、不動産の放棄やアドレスホッパーなどの増加につながっています。
そこで今後は、国で全てのシステム構築、管理は難しい現実を踏まえて、民間における不動産に関わる手続きの代行、簡素化のシステムづくり、DX化の流れを進める必要があると考えます。
高齢化社会が進めば、自分では購入、売買、相続などあらゆる手続きなどが自力ではできない例も増え、このような社会の実情をもとに、官民の連携、協動によるシステム化、効率化の意味を見出す事となるでしょう。
また、非接触型が推進される昨今では、VRの利用により遠距離の土地や物件なども見学、内覧ができるようになれば、
地方や遠方の人口減少による不動産の維持が難しい地域であっても維持を持続することが可能になります。

(4)まとめ

今回くらしすたんとforDXでは入居者の代わりに、引越しの手続きや必要なライフラインの契約方法のご案内・おすすめの料金プランなどをご提案する新たなシステムです。
それにより入居者の負担が減り物件定着率の向上につながります。
これはまだ一部の例に過ぎません。さらに不動産業界は今までのノウハウ、知見の蓄積を現代の新たな時代に合わせ提案しながら、
徐々にDX化していくことが期待されています。またその変化、変革を遂げることが不動産業界自体が今後、生き残っていく術なのかも知れません。

前の記事を読む

入居者に人気な物件設備

入居者に人気な物件設備

日本の現状において人口減少や、少子高齢化、都市…

次の記事を読む

物件管理で苦悶する【複雑化する入居者様トラブル】DX で業革!

物件管理で苦悶する【複雑化する入居者様…

日本の現状において人口減少や、少子高齢化、都市…
コラム一覧へ